テーマ:小説

「陽気な日曜日の世界」論その10──読者への挑戦状の回答(そして反省)

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  読者への挑戦状の問題は、「陽気な日曜日の世界」によって、実は世界の一部が改変されたのでしたが、それはどの箇所だったのでしょうかというものでした。  さて正解の発表です。 ダララララララララララララ…  正解は 第四話 モリエール的喜…
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「陽気な日曜日の世界」論その9──資料

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  今回は、「陽気な日曜日の世界」の対戦で各人が持っていたデッキを紹介します。小説中に登場せず、デッキの中に眠ったままのカードもずいぶんあります。(一つのデッキは40枚以上60枚以下と決められています。)  実際にこのデッキで対戦してみたら、はたして小説のよ…
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「陽気な日曜日の世界」論その8──補遺

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  すずなのデッキでは《ご隠居の猛毒薬》はかなり活躍したカードでした。  実は、当初の案では、次のような場面がありました。しかし、1ターンに手札から出せる魔法・罠カードはそれぞれ1枚までという「スーパーエキスパートルール」を採用したために、この場面がどうして…
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「陽気な日曜日の世界」論その7──未来からの啓示

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  『陽気な日曜日』という小説は漫画『ガスコーニュのつわものたち』の続編として書かれたということは前にも述べました。  小説を先に掲載しましたが、作られたのは漫画の方が先でした。(現在掲載中の漫画は、その時に作成した原稿にさらに加筆修正しつつあるものです。)…
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「陽気な日曜日の世界」論その6──過去との邂逅

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  『陽気な日曜日』は17世紀末から18世紀初にかけての物語ですが、そこには過去に関する情報がたくさんつまっていて、それが現代の私たちと共通の知識の土台にもなっています。  過去の人々が記した著作の中には、当時は有意義であったり斬新であったりしたものも、今日…
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「陽気な日曜日の世界」論その5──鉄の法則

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  この世界は“固有名詞以外の外国語は使用することができない”という鉄の法則の支配下にあります。そして、フランス語はすべて作者の母語、すなわち日本語で表現されます。  私が『陽気な日曜日』を書くに当たって、そういう縛りを自分に課した理由は、外国の文学を読…
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「陽気な日曜日の世界」論その4──否定の否定

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  田宮さんと『陽気な日曜日』の世界とは、基本的に互いに相容れない存在です。どちらも相手をまずは否定しています。  冒頭の田宮さんによるイエス・キリストに関するざっくり解説──未だかつてこんなわずかな叙述でイエスの生涯について語られたことがあったでしょう…
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「陽気な日曜日の世界」論その3──エジプト神話とノストラダムス

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  とは言っても、『陽気な日曜日』はあくまでも歴史小説です。それを、どうやって現代や近未来(あるいは異世界)の物語とうまくつなげることができるか、いろいろ悩みました。  しかし、その答えを探すのに遠くまで行く必要はありませんでした。それは、原点に立ち返ること…
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「陽気な日曜日の世界」論その2──前史

 この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。  漫画『遊戯王』に端を発したデュエル小説と17世紀フランスの歴史小説、いわば全く畑違いの分野をつなぐコラボ小説を、いったいどうして書くことになったのか、今回はその前史を明らかにしてみようと思います。  そもそもの発端は、アッキーさんの小説『決闘都市』で…
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「陽気な日曜日の世界」論その1──読者への挑戦状

この記事はまず「陽気な日曜日の世界」をご覧になってからお読みください。 その他の既読推奨 ・予告文 ・アッキーさんによる紹介 ・春妖(まえがき・前編・後編)  この「陽気な日曜日の世界」というコラボ小説は、元の小説「陽気な日曜日」の外伝であると同時に、総集編でもあり、またメイキングともなりました。   これから約…
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予告! 「田宮行方の世界」に「陽気な日曜日」が参入

 みなさ~ん、春乃すずなはもう小説を書かないのかなと思っていませんか?  実を言うと、ひそかにいくつかの構想を温めておりまして、そのひとつが今回発表する「陽気な日曜日の世界」です。  これは、独立した小説ではなく、『田宮行方の世界』という遊戯王カードゲームを描いたコラボ小説の第20話にあたるものです。  『田宮行方の世界』…
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「春妖」について

「春妖   まえがき」 「春妖   前編」 「春妖   後編」 小説仲間のアッキーさんが、私の小説と私のデュエルカードを使ってこんな小説を作ってくれました。 アッキーさんがデュエル小説を発表している時に、実は「私もカードを持っている」と告白したことがきっかけで、こんな企画が成立しました。 子どもが遊んでいたカードの…
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エピローグ

 ある日、彼は、いつもの自分の寝床で静かに横たわっていた。いつもと違うことといえば、彼の寝台の周囲が整頓されていたこと、そして家の中に新品の農具が置いてあったことぐらいであった。彼は長い熟睡から目覚めたばかりであった。もう陽は高く昇り、家族の者たちは皆仕事に出かけ、家の中はひっそりしていた。  彼は寝台から起き出してきて、大きな伸びを…
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落ち穂拾い-18

 ガブリエルはマテューから買ったばかりの鋤を家の中に持って入った。ついでにディマンシュの様子を見ておこうと思っていたのだった。  ディマンシュは生命の危機を脱した後、まだ寝台から起きられないうちから何やら取り憑かれたように昼も夜も一心不乱に書き物をしては、また熟睡するという生活に入った。  皆に恩赦が出た頃にはどうにか歩けるよう…
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落ち穂拾い-17

「神父様、お探しいたしました。」  リヴェール神父が港からアイルランド行きの船に乗り込もうとしている時だった。彼の姿を見つけた使者は託された手紙を辛うじて渡し得た。リヴェール神父がそれを受け取ると同時に、出港の合図が鳴らされた。彼は船の甲板でその手紙の封を切った。 『ルール家のシャルロットからか。懺悔の手紙らしいが…、もはや会うこと…
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落ち穂拾い-16

 アルは仕事をしながらシャルロットと話を続けた。 「ところで、昨日、何かうれしそうに手紙を書いていたけど、アントワーヌに元気でやってるとでも知らせてやったのかい。」 「いいえ、アントワーヌにではないわ。でも、これで胸の奥につかえていたものがすっきりしたの。やっぱり偽りを偽りのままにしておくことはできないわ。」 「そんな秘密めいた言…
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落ち穂拾い-15

 屋敷を出たシャルロットは、アルと共に農婦として暮らすことになった。晴れ晴れとした顔で畑仕事をしながら、シャルロットはアルに語りかけた。 「アントワーヌにはわたしがそばにいなくちゃいけないって、ずっと思っていたから、あの子にあんなこと言われて、本当にびっくりしたわ。親が子に見捨てられるなんて、こんなことってあるのかしらって思ったわ。け…
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落ち穂拾い-14

「何をそんなにおびえる。おまえの商売の話をしようとしているだけだ。」  リヴェールは自分の考えを率直に述べたが、マテューにはその意は伝わらなかった。 「あ、あの…、この商売をするのに何かお上の許可がいるのでしょうか。」  リヴェールは少しじれてきた。 「そんなことを問題にしようとしているのではない。」 「で、では何を問題に…?…
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落ち穂拾い-13

 リヴェール神父はその言葉どおり、マゼルに恩赦が出されたのを見届けると、さっそくアイルランドに行く準備を始めた。これまでの住まいを片付け、荷造をしながら、ふと、例の青年から取りあげた剣が自分の手元に残されていることを思い出した。 『捕らえられた者たちを訪ねまわってみたが、彼に会えることはなかった。どこの誰なのか、名前すらわからないので…
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落ち穂拾い-12

 少女ミレイユは、立派な身なりの男をつれて、ボルドーの繁華街にやってくると、「ブライユ商会」という看板を出している酒屋に入っていった。 「ちょっとここで待っててね、いるかどうか確かめてくるから。」  少女はその酒屋に入っていった。少女が再び姿を現すのに数分とはかからなかったが、一人でたたずむアドルフにとっては永遠の時間に思えた。そし…
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落ち穂拾い-11

 この少女は、かの女性とあまりにも顔立ちが似ていた。違うのは年齢ぐらいである、とアドルフは考えた。彼女と最初に出会ってからもう十年になるのだから、少なくとも二十代後半にはなっているはずである。それにしても、あまりにも似ている。親子というには年が近すぎるが、彼女と何らかのつながりのある娘かもしれない! 「そうよ、何か悪い?」  なじっ…
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落ち穂拾い-10

 アドルフは傷心のあまり、軍務すら放棄して、馬に乗ってあてどのない旅へと出立してしまった。 『アントワーヌめ。あんなに可愛がってやったのに、ぼくをさしおいてルール家の跡取りになるなどと、いったい誰がそんな知恵をつけたんだ。父上なのか? いったい父上はいつからぼくを見限ってしまわれたのだ? もう、誰も信用できない…。何もかも信じられない…
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落ち穂拾い-9

 納得できないのはアドルフであった。 「父上…、よしてください。これは何かの冗談でしょう。ぼくは父上の一人息子ですよ。実子がいるのにそれを放逐して養子を迎えるなどと聞いたことのない話です。」 「わしはこの家の当主だ。跡取りを決める権利はわしにある。」  アドルフは父親のきっぱりした態度からして本気であることを悟り、狼狽した。 「…
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落ち穂拾い-8

 アドルフもシャルロットも、アントワーヌの言う意味がさっぱり分からなかった。少年は落ち着き払ってその後を続けた。 「そうです。伯父様には永遠の女性を探し続ける自由を。お母様には農家で貧乏暮らしをする自由を。」 「はあ?」  このアントワーヌの唐突な提案が何を意味しているのか、二人にはまだわからなかった。困惑顔の二人に、ルール氏が明…
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落ち穂拾い-7

 アルにも恩赦が出たことでシャルロットはひとまず屋敷に戻ることにした。彼女としてみれば、父親を説得してアルをもう一度婿として迎え入れさせるか、それが叶わなければアントワーヌを連れて屋敷を出る心づもりであった。  屋敷の庭の一角には、先日ガブリエルから持たされた薬草が元気に育っていた。この薬草はそんじょそこらの雑草に負けないぐらい繁殖力…
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落ち穂拾い-6

 マゼルと共に脱獄して恩赦を得た者たちは、そのほとんどが元の自分の職業に戻り、何人かがスイスに亡命した。  一方マゼルは元の仲間に呼びかけて再結集を計り、彼らを連れてヴィヴァレに赴いた。そこには秘かに活動を続けていたクラリがいた。クラリと再会したマゼルは、若い世代に呼びかけ、その支持を集めていった。  一七〇九年三月、マゼルが新しく…
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落ち穂拾い-5

「あんた! これ見て!」  サラがセヴェンヌの洞窟の一つに隠れ潜んでいるマゼルの元に持ってきたのは知事の名で発行されているモンペリエの新聞であった。 「なんだ、あの連中の新聞か。くだらないもの見せるんじゃない。目が腐るぜ。」 「そんなこと言ってないで。ほら、ここ。」  サラが指差したところを読んだマゼルは思わず目を見張った。 …
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落ち穂拾い-4

 モンペリエに到着したリヴェール神父がバヴィル知事に面会を求めた時にはすでにマゼルの脱獄は知事の耳に入っていた。知事は神父と顔を合わすや、さっそく最大限の嫌みを含んだ口調で言った。 「神父殿! あのマゼルが脱獄しましたぞ。」 「そのようですな。」  リヴェール神父のこの冷静な反応は、まるでこうした事態を予期していたかのようにすら思…
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落ち穂拾い-3

 リヴェールは雷を落とした後、また押し黙った。カユザックが今度こそ何も言うまいと辛抱していると、ようやくリヴェールが口を開いた。 「この事件が起きたことは誰が知っている?」 「私の部下と、それから近くの部隊にも連絡を取って捜索させました。そうそう、あのルール家の婦人も訪ねてきましたが、こんなことを知られるわけにはまいりませんので追い…
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落ち穂拾い-2

 何度牢獄を眺め回しても、部下たちを叱りとばして各地の捜索に当たらせても事態は変わらなかった。牢獄の壁にはぽっかりと穴が空いたままであったし、囚人たちは消え失せたまま何の手がかりも得られなかった。 『ああ、おれはいったいどうなるんだ? こんな大失態を犯してしまっては間違いなく解職だ…。いや、解職で済むのか…? まさかおれ自身が投獄され…
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