サクラサク読書案内(13) 市川ジュン『陽の末裔』

 『陽の末裔』というこの題名は、「元始、女性は実に太陽であった」という平塚らいてうの言葉に由来しています。近代日本において女性の権利はひどく侵害されていました。しかし、大正デモクラシーの時代に社会運動が活発になり、女性の権利獲得運動も広がりを見せました。平塚らいてうはそんな時代の活動家です。
 この漫画では二人の少女が、対照的な方法で女性に対する抑圧と闘っていきます。ひとりは没落地主の娘である南部咲久子、もうひとりは貧農の娘石上卯乃です。二人は貧困から脱却するために東京の紡績工場に働きに行くことになり、そこで「女工哀史」さながらの苦難を経験します。しかし、工場長は咲久子の魅力に惹かれ、彼女を養女とします。それと同時に咲久子の要望で卯乃の借金も払い、彼女もまた自由の身となります。
 その後の二人の運命は分かれ、咲久子は実業家への道をひた走り、卯乃は職業婦人として女性の地位向上のために闘うようになります。

 この二人の活動を通じて、大正から昭和にかけての時代、当時の女性が置かれた状況はもちろん、社会全体の諸階層の関係がよくわかります。

[まとめ買い] 陽の末裔
市川ジュン

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by [まとめ買い] 陽の末裔 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



サイドストーリーの『懐古的洋食事情』のシリーズでは、本編に登場した様々な人物の「その後」がユーモラスに描かれており、これも面白いものです。

懐古的洋食事情(1)昭和元年のライスカレー
集英社
市川 ジュン

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 懐古的洋食事情(1)昭和元年のライスカレー の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック