サクラサク読書案内(12) 池田 理代子『ベルサイユのばら』

 あまりにも有名な作品ですが、私自身がリアルタイムでこの漫画を読んでいたこともあって、フランス革命を知る上ではずせません。
 今でこそ、その地位は揺るぎない物がありますが、当時、週刊マーガレットでこの漫画が連載される時に、「少女には難しい」として、あやうくボツになりかけたそうです。この話を後になって知って仰天したことがあります。時代に先駆けて新しい物を打ち出す時には、古い思いこみが邪魔をする物だとつくづく思いました。
 
 漫画としての面白さは言わずもがな。歴史を学ぶという上で重要な点は、当時の様々な諸階層が主要なキャラクターとして描かれているということでしょう。しかも、けっしてステレオタイプな描き方ではありません。貴族の中にも、いかにも傲慢な人物もいれば、オスカルのように葛藤に苦しんだ末に革命に身を投じる者もいます。平民の中にも貧乏人もいれば金持ちもいます。また貧困から抜け出す手段として悪事を働く者たちも実に個性的に描かれています。
 オスカルが庶民の食事を知って、自分の生活がいかに贅沢なものであったのかを知る場面は秀逸です。
 オスカル自体は架空の人物ではありますが、実在の人物も架空の人物も区別なく、この作品世界でみんな同じように生きています。実在の人物が漫画に登場すると、とかく説明的な描き方になりがちですが、この漫画ではそんなことはありません。ルイ16世もマリー・アントワネットも、ロベスピエールもサン・ジュストも、みんな魂がこもっているのを感じます。
 『ベルばら』を読んでいたおかげで、高校の世界史の授業で、フランス革命については、そのほとんどがすでに知っていることであり、知らなかったこともすぐに頭に入りました。今でも、その価値は失っていません。




ベルサイユのばら(1)
フェアベル
2013-10-01
池田理代子

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