陽気な日曜日

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help リーダーに追加 RSS 第30話 荒野の説教者-16

<<   作成日時 : 2008/05/16 21:29   >>

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 ポワーヴルはディマンシュの少しはにかんだような笑顔を見て安心し、晴れ晴れした顔でこういった。
「ぼくは後から来る者のために道を整えておくよ。」
 ディマンシュは彼の言葉が気になった。
「まさか君は自分を洗礼者ヨハネにでもなぞらえているのか?」
「おこがましかったかな。でも、現在のフランスの地はまさしく荒野のようなものだろ。ぴったりじゃないかと思ってね。」
「確かにそうだ。しかし、それだけに気になる…。くれぐれも身の安全に気を付けてくれたまえ。」
 ディマンシュがポワーヴルの行った言葉を気にするわけは、イエスの先駆者である洗礼者ヨハネは、ヘロデ王とその妻に憎まれ、志半ばで首をはねられることになったからである。
「なあに。言われなくてもわかっているよ。それより、君に一つ頼みがあるんだが。」
「君はまたぼくに難題をふっかけようとしているんだな。」
「そんなに難題ばかりふっかけてきたっけ? でも、今回の頼みは実に簡単なことなんだ。旅に持っていかない私物はあらかた処分したんだが、これだけは手放す気になれなくてね…。」
 ポワーヴルはひとふりの剣を差し出した。それはディマンシュには見覚えのある剣であった。

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