サクラサク読書案内(10) よしながふみ『大奥』

 よしながふみの漫画はどれも面白く、私の一番のお気に入りは『西洋骨董洋菓子店』です。また、『ジェラールとジャック』では、『ベルサイユのばら』とは違った観点からフランス革命を描くことができるのかと感心しました。

 さて、この『大奥』という作品は、徳川家光の時代に、主に若い男性がかかる疫病が蔓延して男性の人口が急減したという設定です。家光自身もこの病で死亡し、ついには後継者がなくなってしまいます。そこで、家光の娘を身代わりに立てたところから、男女逆転の歴史が始まります。奇想天外な設定ではありますが、女性の将軍もみな公式の場では男の名前を名乗っており、歴史的事実とちゃんと整合性が合っています。
 大奥には不合理で残酷なしきたりがあるのですが、それを吉宗が改革していきます。しかし、家光の時代にまで歴史を遡ると、そのしきたりにも意味があったのだということが明らかになります。
 登場する人物たちは、みなしたたかです。可愛い顔をしていても権謀術数にまみれ、手を汚している者が何人もいます。
 先に紹介した『風雲児たち』とは絵柄もアプローチの仕方もまったく違う作品で、取り上げている人物や事件も描き方が異なっています。この両方を読み比べてみると、歴史をより重層的に把握できることでしょう。田沼意次に対する評価についてはなぜか似通っています。
 現在は、雑誌連載中で、和宮が登場したところです。この和宮がこれまでのイメージとはまったく違ったように描かれているのも興味がそそられます。
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