第44話 熱病-1

これまでのあらすじ
 一六八五年、ルイ十四世はフランスで信教の自由を求めていたナントの勅令を廃止し、ユグノーに対して過酷な迫害をおこなった。一七〇二年七月、南フランスのセヴェンヌで過酷な扱いを率先しておこなっていたシェーラ司祭に対してユグノーの住民の怒りが爆発し、これをきっかけにセヴェンヌでは武装したユグノーと国王軍との間に戦闘が始まった。反乱者たちはいつしか「カミザール(カミゾを着る者たち)」と呼ばれるようになった。

 一七〇三年の年が明けた。未だカミザールは鎮圧されることはなかった。数ヶ月どころか数日で鎮圧されてきたこれまでの農民一揆とは異なって、四ヶ月以上が経過してなおラングドック政府は事態を収拾できなかった。そればかりか、むしろ主導権は反乱者側に握られていた。
 カミザールは着実に仲間と支持者と勢力範囲を拡大していった。セヴェンヌ山地のほぼ全域に国王軍が足を踏み入れることのできないカミザールの拠点が形成されていった。そこでは、ナントの勅令の廃止以来禁止されていたユグノーの礼拝が復活し、詩編歌が公然と歌われるようになり、洗礼も結婚式も聖餐式もユグノーの方式でおこなわれるようになった。
 平原でもウーゼ以外の多くの拠点が作られたが、平原にありながら樹海で遮られたウーゼは主要な根城の一つであり続けた。そこには寝泊まりできる部屋や集会室はもちろんのこと、充実した食料庫もあり、病人や怪我人を看病する病棟までできていた。
 このウーゼにおいて主だった者を集めた新年の会議が開催され、拡大した勢力と地域に対応するための新しい体制作りが論議された。その結果、各地域ごとに責任者を置き、各人は地域ごとの所属を決めてその責任者の指示に従うということになった。作戦は基本的に地域ごとにおこなうが、時には、責任者同士が相談の上、地域を超えて合同の作戦行動を取るようにすることも取り決められた。
地図中央(旗のやや左下)にヴェゼノーブル(ジャン・カヴァリエのおじラコンブの農場)
旗の右側にウーゼ(カミザールの隠れ家)
地図の右上にセルヴァ(ジャン達が国王軍の将校と囚人に変装して乗り込み破壊した城)
地図の左上にアレス(この地域でニームに次ぐ都市)
ガブリエルの住まい、マリエットの村、ルール家の屋敷はアレスからさらに北西に登っていったところ
「周辺マップ」をクリックすると他の関連地域がわかります。

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この記事へのコメント

2010年01月01日 14:08
あけましておめでとうございます。新年早々から不吉なタイトルですが、カミザールの勢いは虎のよう。
熱病にかかるのは案外、国王軍の方かもしれません。・・・予想ではなく願望ですね。
2010年01月01日 21:40
アッキーさん、あけましておめでとうございます。
取りあえずは破竹の勢いですが、病はじわじわと進行中です。アッキーさんの予想は半分はあたっています。

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