第42話 その名は“カミザール”-1

これまでのあらすじ
 1685年以来信教の自由を奪われていたフランスのユグノーは、1702年7月24日ポン・ド・モンヴェールにおいて迫害者の一人シェーラ司祭の館を襲撃した。その首謀者であったピエール・セギエは処刑され、その後を引き継いだジェデオン・ラポルトもプール隊長との戦いに敗れて戦死した。
 
 北西セヴェンヌのエグアルにアンリ・カスタネという二十九才の男がいた。彼には「熊小僧」というあだ名がついていたが、その名の通り、背が低く毛むくじゃらで猛々しい男であった。彼は十二歳の時までは存在していたユグノーの教会に通って読み書きを習い、教会が取り壊された後も聖書を読むことはやめず、エグアルで森の番人をしながらひっそりと暮らしていた。
 そんな彼がセギエらの預言者運動の話を耳にした時、自分でも集会を催し、元ユグノーであった村人たちを呼び集めたりしていた。そして、セギエの処刑を知った後、彼は周囲のカトリックの教会を次々に焼いていった。さらにラポルトの活躍を知るにつけ、彼に会おうとして森を出て低セヴェンヌのアンデューズにまでやってきた。
 そこで彼が見たのは橋の上でさらされている無惨な首であった。
「なんだ? うわっ、ひでえ!」
 カスタネは自分の思ったことを声に出して言わずにはおれない性格であった。

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