第41話 カミゾを着る者たち-2

 ラポルトの言葉の先をディマンシュが言った。
「つまり、おびき寄せた先に我々が待ち伏せているというわけですね。」
「その通りだ、ディマンシュ。これまで我々は常に国王軍との直接の対峙を避けてきた。しかし、いつまでもそうしてばかりはいられない。ここでひとつ彼らの最強部隊をたたきつぶしてやろうではないか。」
「最強部隊っていうと…?」
「ジャン、我々がこれまで最大の被害を被ったのは、プール隊長の部隊によるものなのだ。あの男のおかげでエスプリたちが捕らえられ、処刑されてしまったのだ。決してラングドックの総司令官ブログリ伯爵の采配によるものではない。」
「じゃあ、今回の作戦の対象はプール隊長!」
「そうだ、ロラン。みんなも異存はないか?」
「異存などあるはずがないですよ。おれはこの時が来るのをどんなに待ちこがれていたか。これでようやくエスプリの仇を討てるって訳だ。」
「マゼル、我々は仇を討つとかいう私怨に基づいて行動しているわけではない。このセヴェンヌにおける力関係を我々にとって有利な状況に転換するためにはプール隊長の部隊を叩くことが必要だからだ。」
「わ、わかってますよ。」
『なんだかこのごろラポルトさんのしゃべり方はあいつのしゃべり方に似てきたような…? いや、そんなことはあるまい。気のせいだろう。そういや、おれはあいつに対して何かし忘れているような気がする…。』
 こうした考えがマゼルの心をよぎったが、作戦の打ち合わせがより具体的になってきたので、雑念は打ち払われた。
「問題は誰がプール隊長をこの地までおびき寄せる役目をするかということだ。」
 場は一瞬静まりかえった。この作戦で最も危険なのは、明らかにこの役割だからであった。

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この記事へのコメント

2009年10月03日 00:07
ついに直接対決ですか・・。緊張します。
ディマンシュだけは行かせてはならない。プール隊にはアドルフがいるからね。
2009年10月03日 10:55
アッキーさん、面が割れている人間を行かせては駄目ですね。しかし、ラポルトにしろ、ディマンシュにしろ自分の顔が相手に知られていることはまだ意識されていません。
ただ、こういう場合、女性、子ども、年寄りといった警戒されにくい者を使うのが常套手段ですね。若い男や中年のたくましい男はそれだけで相手に警戒心を与えてしまいます。

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