第41話 カミゾを着る者たち-1

これまでのあらすじ
 1685年以来信教の自由を奪われていたフランスのユグノーは、1702年7月24日ポン・ド・モンヴェールにおいて迫害者の一人シェーラ司祭の館を襲撃した。その首謀者ピエール・セギエは捕らえられて処刑されてしまったが、残された者たちの中で軍務経験者のジェデオン・ラポルトを中心に若者が結集し、新たな部隊を形成していった。

 ジェデオン・ラポルトの部隊は一見して軍隊らしいところは何もなかった。彼らはみな普通の農民や職人と同じようにカミゾを着ていた。カミゾとは何の飾りもない生成りの生地でできているもっともありふれた衣服で、下着としても作業着としても使用されていた。前あきのものもあれば、頭からかぶるようになっているものもあった。半袖のものもあれば長袖のものもあった。そんな服装の彼らが銃を背負っていても、ほとんど猟師にしか見えず、他の住民とまったく区別がつかなかった。国王の兵士たちが赤や青の派手な色彩の制服を着ており、遠くからも一目でそれとわかるのと比べるとまったく対照的であった。
 女たちが重要な役割を担っている点も国王軍とは異なっていた。戦闘に直接参加することはなかったが、食料や衣服、靴の調達、負傷したり病気になったりした兵士の介護など、なくてはならない様々な仕事に従事していた。また、作戦会議で意見を述べることも当たり前のようになされ、彼女たちの意見は男たちの意見と同様、あるいはそれ以上に尊重された。
「今回の作戦はこれまでとは異なる方法をとる。」
 ラポルトは主だった者たちを集めた作戦会議で新しい提案をした。
「これまでは、国王軍をまったく別の場所におびき寄せておいて、警備が手薄になった教会や貴族の屋敷を襲撃するという戦法をとってきた。しかし、そろそろこのやり方を変える必要がある。あいつらもそうそう同じ手口にやられっぱなしというわけにはいかないだろう。そこで、今回はその逆を行く。」

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