慧眼なる読者との対話(28)

 第27話までお読みいただいた皆様、ありがとうございます。ひとつひとつのコメントにいつも感謝しています。
 さて、久しぶりに若い娘たちが登場しましたが、彼女たちの存在によって、この物語は華やかな方向に進むのでしょうか。

「断言しておこう。あのばあさんがいる限り、華やかな方向に進むはずはないということを。」

「いやいや、そう決め付けないでくださいな。ジャックリーヌは自分の職務を果たしているだけなんですから。」

「で、作者自身は自分の職務を果たしているのかね?」

「と、いいますと?」

「読者から1回ごとのもっと分量を増やしてほしいとの要望があったにもかかわらず、この第27話はなんだね。むしろ減っているではないか。しかも、28回分しかない2月でこれだ。1月や3月ならどうなったというのだ?」

「はあ、お叱りごもっともで。しかし若干の言い訳をさせてくださいな。1月の終わりに『ロランの歌』と『狂えるオルランド』の読書案内をしたんですけれど、あれは実はもともと本文の一部だったのです。しかし、アルが短刀を突きつけられた場面から、あれだけ長々とわき道に入ってしまうというのは、ユゴーのような大作家には許されても、すずなにはおこがましいように感じました。しかし、“ロラン”という名前の由来についてぜひともここで語っておきたいとも思いましたので、考えた末、読書案内という形で独立させたのです。だから、その分、本文が短くなってしまったわけです。」

「なるほど。しかし、短くなった分、もう少し各場面に手を入れて分量を増やすという方法もあったのではないかな。」

「しかし2月は税務署に出す書類作りで、忙しく…。」

「そんなことは読者には関係のないことだ。まさか、3月17日までは身動きが取れないというのではなかろうな。」

「いえいえ、先日ちゃんと税務署の窓口に届けてきましたので大丈夫ですとも。一仕事終えましたので、小説のほうにもいっそう力を入れることをお約束いたします。」

「面白い展開にならなければ、また苦情を言わせてもらおう。」

 次は「第28話 尋ね人」です。いったい誰が誰の行方を尋ねることになるのでしょうか。また何人かの新しい登場人物も出てきますので、お楽しみに。

第27話に関する覚書

1696年春

場所
ラコンブの農場
アンデューズの街角
デュプランの店

登場人物
アルベール・ブライユ…ユグノーの青年。妻のシャルロットを取り戻すためにラテン語の勉強をしている。本を買う資金を稼ぐためにラコンブの農場で働く。
マゼル…ラコンブの農場で働く青年。
ロラン…本名はピエール・ラポルト。マゼルの親友。毛梳きと豚の去勢を仕事にしている。
ジェデオン・ラポルト…元軍人で現在は鍛冶屋。隠れユグノーの中ではリーダー的存在の一人。
ジャン・カヴァリエ…ラコンブの甥。農場でこき使われていたが、パン屋の徒弟となる。
貴族の姉妹…アンデューズに買い物にやってきた。
ジャックリーヌ…貴族の姉妹のお付きの老婦人。
デュプラン…アンデューズで有名なパン屋の主人。

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