第12話 啓示―1

これまでのあらすじ
 1685年にナントの勅令が廃止され、信仰の自由を奪われたユグノーたちの間では、ひそかに礼拝が続けられていた。しかし、秘密の礼拝は摘発され、若い説教者が逮捕されてしまった。ユグノーの村人たちは説教者奪還に向けて、カトリック側の兵士を人質にとるなどの策をめぐらしたが、それも功を奏しないまま説教者は処刑されてしまう。しかし、そこに集まった人々の胸のうちには忘れられない記憶として刻まれた。


 ルール家は悲しみに包まれていた。説教者が処刑された以上、人質として捕らえられているアドルフが死体となって返ってくるのは、時間の問題だと思われていた。
「お父様、何かお召し上がらないと、お身体を壊してしまいますわ。」
「いや…。どうしても食事がのどを通らんのだ。」
 シャルロットは、父親のあまりの落胆ぶりに、自分自身の悲しみはさておき、なんとか元気を取り戻してほしいと、あれこれ努力してみた。しかし、父親は目に見えて憔悴していくばかりであった。
「お父様はユグノーにむごい仕打ちなどしなかったのに、どうしてこんな目にあわなければならないのかしら。」

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この記事へのコメント

2006年10月01日 14:34
アドルフが生還して、家族の望外の喜びが目に浮かびます。しかしその後、アドルフの任務を知ったルール卿が詰め寄り、加えてアドルフの偏狭な物言いに卿は怒るのではないでしょうか。あっ、このような予測を先に申しては失礼ですよね、すみません。
2006年10月02日 14:03
パッセさん、予測は大歓迎です。(どこまで読者の裏をかくことができているかがわかりますから。)
今回に関しては、残念ながらはずれです。これに懲りずにまたどうぞ。
ところで「ルール卿」っていうと、どうしても『リボンの騎士』の「ナイロン卿」を思い出してしまいます。(笑)

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