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zoom RSS 地動説列伝(7)ヨハネス・ケプラー

<<   作成日時 : 2018/06/23 23:49   >>

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 天文学者として初めてコペルニクスの説を公然と支持したのはヨハネス・ケプラーでした。

 ケプラーは、貧しい家に早産児として生まれ、幼い時の病気の後遺症で視力を悪くしました。そして虚弱な体質に生涯苦しめられました。母親はかんしゃく持ちで、父親は職を求めて転々とし彼が17歳の時に亡くなりました。
 不遇な幼少期を過ごしたケプラーですが、幼い頃の印象的な思い出として、親に連れられて彗星や月蝕を見たことを書き残しています。

 彼は給費生としてチュービンゲン大学に進学し、そこで天文学、特にコペルニクスの地動説に出会います。牧師になろうと思っていたケプラーは、天文学のすばらしさに心打たれ、これを一生の仕事と定めました。
 1593年、大学卒業の年に「月の天文学」すなわち、月の住民にとって天文現象はどのように見えるかという問題を提起しました。しかし、大学では結局取り上げられずに終わりましたが、このテーマは彼の生涯を通じて究め続けられることになります。
 彼は、1596年、25歳の頃に『宇宙の神秘』という著作を発表し、太陽を中心とした正多面体が入れ子になった構造をした太陽系モデルを示しました。これ自体は空想的なものですが、自然界における数学的な形態に関する研究の先駆となっています。

 この著書をケプラーは、当時最も有名な天文学者ティコ・ブラーエに送り、批評を求めました。
 ブラーエは、従来の天動説には批判的でしたが、コペルニクスの地動説を採用することはせず、独自の宇宙モデルを考察していました。コペルニクス説に依拠したケプラーの著書については、実際の観測データに裏付けられていないと批判しつつも、自分の助手とならないかと誘ったのでした。

 こうして1600年にケプラーは、ブラーエの助手となりました。ブラーエは40年間に及ぶ膨大な観測記録の中から火星の運行をケプラーに示しました。このデータさえあればすぐにでも理論づけられるとケプラーは考えたようですが、実際にケプラーがその星の運行を法則化するには、何年もかかりました。
 ブラーエの死後、そのデータを引き継いだ彼は、1609年には第一法則と第二法則、1619年には第三法則を発見しました。これらが「ケプラーの三法則」と言われているものです。 画像

 第一法則は、惑星は太陽を焦点の一つとする楕円軌道を描いているというものです。それまでの全ての宇宙観では天動説にしろ地動説にしろ、星の軌道は完全な円を描いていると考えられていました。(真円こそが神の完全性を示しているのだと。)コペルニクスも同様でしたし、1596年のケプラーもその考えに固執していました。
 しかし、ケプラーは、この第一法則を発見することによってコペルニクスだけでなく過去の自分をも超えたのでした。それはブラーエのデータに真摯に取り組んだ結果でした。決して自分の説に有利なようにデータを改竄しなかったところに、科学者としてのケプラーの良心を感じます。画像

 第二法則は、惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定である、というものです。(太陽から離れると遅く、太陽に近いと速く進む。)
 発見した順序は実はこちらの方が先で、ここから軌道が楕円であることに気が付きました。

 第三法則は惑星の公転周期の2乗は楕円軌道の半長軸(図のa)の3乗に比例する、というものです。画像
 これもまた、太陽に近い惑星ほど速く回転し、遠い惑星ほどゆっくり回転するということを示しています。


 最晩年のケプラーは「夢」というSF小説を書き残しています。ケプラー自身による注釈をつけた完全版を彼の生前は出版することができず、息子の尽力によって出版することができました。

 アイスランドに住む少年がティコ・ブラーエのところで天文学を修めて故郷に帰ると、その母親が月からの精霊(ダイモン)を呼び出し、月に行く方法や月から見える地球や星々の状態について語ってくれるというものです。彼が学生時代から考えていた月世界における天体現象が細かく述べられています。
 ストーリー的には題名通りの夢オチで終わるのですが、同時代の文学やその後のSF小説に大きな影響を及ぼしています。
 特に、シラノ・ド・ベルジュラックの著書『月世界旅行記』は、科学的なところとファンタジーが入り交じっているところ、ソクラテスに知恵を授けたダイモンが登場するところなど、明らかにこの著書の影響が見られます。
(「ガスコーニュのつわものたち第8話 月世界旅行記」ではこのシラノの著書を漫画化してみました。)

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