第30話 荒野の説教者-8
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作成日時 : 2008/05/08 00:23
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しかし、この黒ひげのレフォール師の意見に対しても反論が出た。
「今レフォール師が言われたことは、これが学生の修養の場としてなら申し分のない話となりましょう。しかしながら、今回の目的とはちと外れてはおりませんか。そんな理由でこの重大な使命を遂行する人物を選ぶわけには行きませんな。」
議論の決着がなかなか付きそうになかったので、とうとう、保留ということになった。つまり、彼以上の適任者がなければ、彼を派遣するという扱いになったのである。さて、候補者の名簿はあと一名を残すのみになった。
最後の一人はポワーヴルであった。これまでの学生については、ジュネーヴ学院の教師のうち誰かが推薦の言葉を述べるのが普通であった。しかし、彼について言葉を添えようとする者はいなかった。一瞬その場に静寂が広がった。学院の教師たちはみな心の中で不審に思っていた。というのも、名簿にその名を掲載するに当っては、最低一人の教師の推薦を受けることが必要とされており、原則的にその推薦をした教師はこの会議に出席することになっていたからであった。
しかし、すぐに事態は明らかになった。出席者の中でさっきからずっと居眠りをしている人物がいた。あまりに幸せそうな顔で居眠りをしているので誰も起こすことができなかったのである。それはジュネーヴ学院最高齢者のガトー師であった。
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