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会議にはジュネーヴ学院の教授たちだけでなく、ジュネーヴ市民の代表者も参加していた。カルヴァンによって、会議の場には、聖職者だけでなく非聖職者の代表も参加しなければならないと定められていたのである。 「このシブレットなる学生、妻帯者だということじゃが、学生の身で結婚などするような軽率な人間では、この厳しい任務は勤まらんのじゃないか。」 「しかしのう、お言葉じゃが、学生の身で結婚することがなぜ軽率といえるのかな。むしろ責任ある態度じゃと思うが。」 「いやいや、学業に打ち込むべき時期に女と暮らすなどもっての他じゃ。学生の間は、強い意志をもって学業の妨げになるものを取り除かねばならん。」 「そうじゃのう。赤子でも生まれてみなされ。部屋の中に褓(むつき)など干し、その横では奥方が赤子に乳をやっている。そのような中で学問に専念できようか。」 「いや、その言葉は当たっておりませんな。シブレットは学業優秀にして、周囲の学生からの人望も篤い人物。安定した家庭を持っていることが、彼の人格形成に大いに貢献していることは明らかでしょう。」 「それなら、逆に、単身フランスに向かうということは、残した妻は彼の大いなる妨げになりうるのではありませぬか。」 この意見には多くの者が同意し、シブレットは選から落ちることになった。シブレットの派遣に反対した人々の中には、シブレットの舅(しゅうと)の友人がいた。オベルジーヌの父親は、彼の娘婿(むすめむこ)を危険な任務につかせないようにするため、ひそかにその友人に低い評価をするよう頼んでいたのであった。しかし、その友人がさほど尽力しなくとも、その会議に集まった人々は人の評価については厳しい基準を旨とする者がほとんどであった。彼らの手によって、志願者は次々にふるいにかけられ、落とされていった。 |
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