第30話 荒野の説教者-3
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作成日時 : 2008/05/03 00:35
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ディマンシュがアルに手紙を出してからまもなく、ジュネーヴの主要な職務についている人々の間で、セヴェンヌに派遣する説教者を決定する会議が開かれた。セヴェンヌの村から説教者の派遣を求める要請文が届いて以来、すでにこれまで幾度か会議が開かれていた。
最初の反応はどちらかと言えば重苦しいものであった。フランスでのカルヴァン派が非合法化されてもう十年以上になる。多くのユグノーが組織立った反撃をすることもなく国外に追い散らされていった。もちろん、これまでもジュネーヴに亡命してきた牧師たちが何人もフランスに戻り、ひそかに活動を続けたこともあった。しかし、その悉くが、密告者によって逮捕され、無残にも処刑されていった。フランスにおける改革派教会の再興は非常に困難な任務であることは誰の目にも明らかであった。
それでも結局フランスからの切実な要請に応えるべく、ジュネーヴの人々は使命感と義務感を奮い立たせた。そして、これまで名の知られていない若い学生の中から優秀な者を選び出し、彼らを説教者に任命して、フランスでの再布教の足がかりにすることを決定した。
さっそくジュネーヴ学院の学生たちに対して志願者の募集が行われた。この決定に対して学生たちは沸き立った。自分の力を試してみたいという意欲に溢れた大勢の学生が応募した。中には、単に説教者の資格を得る早道であると考えて応募したものもいた。
しかし、その条件は厳しかった。セヴェンヌの農民たちの間で活動する以上、彼らの話すラング・ドック語にも通じていなければならなかった。フランスの言語は北部と南部ではかなり異なっている。ジュネーヴで通常使用されているフランス語は、北部で話されているラング・ドイル語であった。志願者は、まずこの点でかなりふるいにかけられた。そして残った志願者について、一人一人、その人品に関する詳細な吟味が会議の場でなされた。
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