第29話 最強の門番-17
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作成日時 : 2008/04/17 08:01
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しかし、これは彼にとってまた新たな苦しみの始まりであった。昨日の娘の言葉、それは彼が心に思い続けてきた姉娘のものではなく、妹娘のものであった。姉娘は自分の思いを心のうちに秘めていたので、ロランがそれを感知することはなかった。ロランにはそもそも娘が二人いるという認識はなかったので、それが彼女から発せられたものだと思い込んでしまっていた。そのことを思うと、急に胸が詰まってきた。食事を食べてしまったということは、自分が彼女のあわれみを受けるような弱い惨めな存在であることを自ら証明してしまったことになるではないか。そう思うと彼は自分に腹が立ってきた。そして腹立ち紛れに手にしていた皿と器を床にたたきつけた。
マクシミリアンは、若い男が「お嬢様」という言葉に反応して起き上がり、食事を平らげたのを見て、彼の狙いが当家の令嬢にあったことを確信した。そして、無作法にも食器を叩きつける音が地下室中に響くのを聞き、この男はどうしようもなく恩知らずで身勝手で乱暴な性格の持ち主であると判断した。したがって、マクシミリアンは、彼をもう一度囚人のように縄で括(くく)ることになんの呵責(かしゃく)も感じなかった。
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