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「このまま何も変わらないよりましかもしれませんわ。」 「いや、きっと変わる時が来る。主はわれらをお見捨てになることは決してない。」 「そうお考えでしたら、もっとお心を広くお持ちなさいな。マルトにもきっと主の御心にかなう相手が見つかることでしょう。」 結局、いつも夫人がこういう結論になるように持っていくのだった。コルネリー氏はその時は納得しても、しばらくたつとまた何か愚痴を言う種を見つけては妻に話しかけるのであった。それはもしかしたら妻に自分の無聊を慰めてもらうひとつの手段であったのであろう。 そんな折、かの老女ジャックリーヌが、主人に面会したがっている者が訪ねてきたという知らせを持ってきた。コルネリー氏にこうした取り次ぎがなされるには、二つの関門を乗り越えなければならなかった。 まず最初は、屋敷の門の前で鬼のように険しい顔で立っている門番のマクシミリアンであった。このマクシミリアンという男、若い時から軍務に勤しみ、数々の戦で功を立ててきた歴戦のつわものであった。主人のコルネリー氏以上に熱烈なユグノーであったために、ナントの勅令の廃止以後、国王に仕えるのはまっぴらだとして、軍務を離れ、出世の道を放棄した。そして、領地に引きこもったコルネリー氏とその家族の安全を守ることに大いなる使命感を持ちながら、門番として彼の残りの人生の全てを奉げていた。マクシミリアンの鋭い目は何ものをも見逃すことがなかった。 |
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