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「なあマゼル、よそうよ。これじゃおれたち、完全に弱いものいじめしているみたいに見えるぜ。その太い腕に捕まえられただけで、もう懲りてるよ。それよりも早くロランを探しに行こうぜ。おれにはいい考えが浮かんだんだ。」 アルの提案にマゼルもすぐに応じた。マゼルにしても弱いものいじめをしていると思われるようなことはしたくなかったのである。マゼルが手を離すと、少年は一目散に他の弟たちのところに駆け出していった。 「で、いい考えって?」 「とにかくアンデューズに行こう。もともとおれたちはジャンに会いに行こうとしてたんだろう。それに、ロランがおかしくなったのは、アンデューズでの失敗からなんだろ。」 「たしかに、あの時おれたちはひどい目にあった。店の親父に水をかけられたりしちまったもんな。しかし、それぐらいのことをあいつが気に病むとは思えねえ。むしろ女に一目惚れして、それが忘れられねえんじゃないかと思うんだが、別にあの時のアンデューズに飛び切りの美人なんかいなかったし…。」 マゼルは首をひねった。 「マゼル、美人かどうかなんて、人によってそう思うかどうかは違うもんじゃないか。とにかく、アンデューズに行くんだ。きっとそこに全ての鍵があるよ。」 マゼルはアルに同意し、二人はアンデューズに向かった。ロランの家からアンデューズまでは川に沿って下っていけばいいだけであった。労せずして自然に足の向かう場所といえば、まさにそこしかないように思われた。 |
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