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マゼルは悪童たちに拳骨を振り上げながら言った。 「もう怒った! おまえたち、ひどい目にあわせてやる。」 しかし、マゼルの怒りの鉄拳は振り下ろされることはなかった。やっとの思いで網から抜け出したばかりのアルがその手を止めたからであった。 「待てよ。こんな子どもら相手に大人気ないじゃないか。」 その間に三人は蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。 「馬鹿野郎! ああいう手合いにはお仕置きが必要なんだ。よくも邪魔しやがったな。」 マゼルの矛先は今度はアルに向けられた。 「大人気ないから大人気ないって言ってるんだよ。」 アルも引き下がりはしなかった。 「ふん! これ以上あいつらを付け上がらせておくわけにはいけねえんだ。」 マゼルの口ぶりでは、どうやらこれまでにも何かひどい目にあったことがあるようであった。 「おれたちはロランの様子を見に来たんだろう。あんな連中にかまっていてどうするんだ。」 アルはマゼルをなだめた。 「そうは言っても、おれの気がおさまらねえんだ。…おっ!」 誰かの足音がこの作業場の方に近づいてくるのが聞こえてきた。 「あいつら、また性懲りもなく引き返してきやがった。」 「でも、子どもの足音じゃないぜ。それに一人だ。」 「じゃあ、きっとロランだ。やっこさん、もったいぶりやがって、やっとご登場かい。弟連中を子分みたいに従えて、いい気になりやがって。」 |
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