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help リーダーに追加 RSS 慧眼なる読者との対話(27)

<<   作成日時 : 2008/01/30 11:50   >>

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 第26話までお読みいただいた皆様、本当にありがとうございます。第三部が始まって、一つ目はジャン・カヴァリエ、二つ目の物語ではマゼルが重要な人物として登場してきました。「手と手」というのは、仲間になるという意味で手を結び合うわけではなく、単に腕相撲の勝負を意味していました。しかも男同士が喧嘩をすれば友情が芽生えるという「お約束」に反して、二人の仲はまだまだ険悪そのものであり、第三の人物ロランの登場によって話はさらに危険な方向に進んでしまいました。
 三つ目の物語になる「第27話 ロラン、またはオルランド」では、このロランについて多くが語られる予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

「『オルランド』とは、『ロラン』のイタリア語での言い方だが、どうしてわざわざイタリア語で言い換えるのだ? 今度はイタリアが舞台になるとでも言うのかね。」

「話せば長いことながら…。」

「また前置きが長くなりそうだな。」

「そうなんですよ。実は、中世フランスの武勲詩『ロランの歌』とイタリアルネッサンス時代に書かれたそのパロディ『恋するオルランド』と『狂えるオルランド』を紹介しようと思っているんですけどね。」

「そんなにたくさん紹介する本があるなら、『読書案内』にでもしたらどうだね。」

「なんてすばらしい考え! そのアイディアいただきです!」

「…というわけで、今回の『慧眼なる読者との対話』は、ここまでにさせていただき、あとは…。」

「それはあんまり手抜きではないかね。せめてどうしてそれらの物語を紹介しなければならないのか、その理由ぐらい述べておくべきであろう。」

「は、はい。実はですね。第26話の最後に登場した青年は『ロラン』というあだ名がついているのですが、本名はピエール・ラポルトと言います。彼が『ロラン』と名乗っているのは、たぶん『ロランの歌』に登場する武勇に優れた悲劇の騎士ロランにちなんだものだと思っていたら、『狂えるオルランド』にちなんだものだということがわかったんです。というわけで、彼のあだ名の由来を説明するためには、この本を紹介しようと思うわけですが、この本は『ロランの歌』のパロディなので、順序から言えばまず原作を紹介し、それからパロディの方を紹介するつもりです。」

「で、どっちの方が面白いと思うのだね。」

「まあ、それは人それぞれですが…。私は断然後者ですね。騎士や姫や魔法使いがヨーロッパ中を右往左往するしっちゃかめっちゃかな物語なんですよ。あらすじをつかむのにたいへん難儀しますが、いったんはまるとその面白さは『ロランの歌』の比ではありませんね。」

 …というわけで、「春を待つ読書案内」の方もよろしくお願いいたします。

第26話に関する覚書

1696年春

場所
ラコンブの農場
マテューの家
ブライユの家

登場人物

アルベール・ブライユ…ユグノーの青年。愛する新妻シャルロットを彼女の父親に奪い返される。彼女との結婚を認められるためには、彼女の兄とラテン語で議論して勝たなければならない。
ガブリエル・ブライユ…アルの母親。
マテュー…村の世話役の一人。天使のような女性を理想としているので未だ独身。
ラコンブ…ヴェゼノーブル村の小作農だが、顔役でもある。何人もの作男を使っている。
ジャン・カヴァリエ…ラコンブの甥。農場でこき使われていたが、パン屋の徒弟となる。
マゼル…ラコンブの農場で働く青年。
ロラン…マゼルの幼なじみの青年。(本名はピエール・ラポルト)

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