陽気な日曜日

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help リーダーに追加 RSS 慧眼なる読者との対話(26)

<<   作成日時 : 2007/12/30 12:07   >>

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 『陽気な日曜日』はこの第25話をもって、第3部に突入することになりました。2005年12月1日からブログでの連載を開始し、2年以上にわたって連載を続けてこられたのは、ひとえに読者の皆様の叱咤激励のおかげです。
 第3部以降では、第1部と第2部に登場した人物が、様々な形で再登場し、その関係を密にしていきます。小さな人間関係と見えたものが、地域を結び、歴史を作っていくことになります。
 今後とも、一層のご愛顧をよろしくお願いいたします。

「年末だというのに、大掃除もおせち作りも後回しにしてご苦労なことだ。」

「いや、これから買い物に行くところでして…。」

「大掃除は?」

「まあ、小掃除ぐらいで勘弁してもらって…。」

「それではいつもとかわらんではないか。」

「まあまあ、ところで、読者の方からジャン・カヴァリエについての質問もありましたので、彼についてもう少し紹介をしたいと思います。」

「彼はいじめられっ子だったというのは本当かね?」

「それはまったくの私の想像でして…。マゼルが大柄な押しの強いいじめっ子タイプ、それに対してジャン・カヴァリエは小柄で気の弱いいじめられっ子タイプとした方が、漫画のキャラクターとして描きやすかったからなのです。」

「いいかげんなものだな。では、金髪の美少年にしたのも漫画に描きやすかったからなのだな。」

「まあそうなんですが…。ところが、文献を調べていくうちにそれは事実だということがわかったんです。ジャン・カヴァリエを知る当時の人によれば、彼は『金髪で色白の美青年』で、『彼の小さな背丈、華奢な体つき、優しげな顔立ちは彼に思春期の青年のような雰囲気をもたらしていた』とあるのです。成人男性である彼が思春期の青年のようであるとは、まさに、私のイメージ通りの風貌だったんですよね。これにはびっくりしました。」

「本当に?」

「お疑いでしたら、Lilian Crété著“Les Camisards”の79頁をご参照ください。次のように書いてあります。」

Mme du Noyers (…) dit que c'ést un 《 beau jeune garçon,blanc et blond 》qu'on ne pouvait imaginer en guerrier. Sa petite taille, sa silhouette frêle, son visage doux lui donnaient l'air d'un adolescent.

「いや、別に疑っているわけではない。そのようなはっきりした資料があるのならそうなのだろう。で、紹介というのはこれで終わりなのかね?」

「あまり紹介しすぎるとこれから先のストーリーがわかってしまいますからね…。でももうひとつぐらいはいいでしょう。彼は最初おじのラコンブのところで“goujat”として働いていたことがわかっています。」

「“グージャ”とは?」

「“下男”、“下僕”というような意味合いの言葉ですが、農作業の中で人のいやがる最もきつい汚れ仕事をさせられる者の呼び名だったようです。おそらくひどい侮蔑が込められているのだと思われますが、日本語にどう訳せばいいのかよくわからないので、その代わり、ジャンの仕事内容でそれを表現してみました。」

「それであんなかわいそうな目にあわせたというわけだな。」

「まあ、そうなんです。でも、そのおかげで、アルと知り合いになれたんですから…。」

「まあいい、そういうことにしておこう。」

 というわけで、2008年も、『陽気な日曜日』をよろしくお願いいたします。1月1日からは、第26話「手と手」です。険悪なムードの出会いだったアルとマゼル、彼らが手と手を結ぶ時が来るのでしょうか。


第25話に関する覚書

1695年12月〜1696年春

場所
ルール氏の屋敷
ブライユの家
定期市
村の集会所
ヴェゼノーヴルのラコンブの農場

登場人物

アルベール・ブライユ…ユグノーの青年。愛する新妻シャルロットを彼女の父親に奪い返される。彼女との結婚を認められるためには、彼女の兄とラテン語で議論して勝たなければならない。
シャルロット・ド・ルール…アルベールと結婚したが無理やり連れ戻されるが、彼の子アントワーヌを出産する。
アドルフ・ド・ルール…シャルロットの兄。自分とラテン語で議論して勝つ人物がシャルロットの夫になると聞いて、それを阻止するために闘争心を燃やす。
セザール・ド・ルール…元ユグノーであったカトリックの貴族。娘の出産に驚くが、実は子煩悩な性格で、孫にも甘い。
アントワーヌ…シャルロットの息子。世間には隠された存在。父親のアルにも彼の誕生は秘められている。
ディマンシュ・ブライユ…ユグノーの青年。アルベールの従兄。現在はスイスのジュネーヴ学院で勉学中。アルとシャルロットを結婚させることに尽力したが、彼らが引き離されたことは知らず、アルの要望に応えてラテン語の指導を行なう。
ガブリエル・ブライユ…アルベールの母親。
マテュー…村の世話役の一人。農民
マルク…村の世話役の一人。羊飼い。
ジャン…村の世話役の一人。羊の毛梳き職人。
ラコンブ…ヴェゼノーブル村の小作農だが、顔役でもある。
ジャン・カヴァリエ…ラコンブの甥。農場でこき使われている。
マゼル…ラコンブの農場で働く青年。
謎の青年…ジャン・カヴァリエの古くからの知り合い?

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ロングランですね。劇場で舞台挨拶せねば。花束贈呈します。
「なぜシャルロットに渡すか!」
「失礼、見間違えた」
2007年も、陽気な日曜日は、止まらない大河のごとくほぼ365日連続更新。素晴らしい。模範のブログです。
沢里尊
2007/12/30 16:17
沢里さん、本当にありがとうございます。しかもなかなかお世辞も巧みですね。(実はミレイユに見間違えられてたりして…)まあ、花束はこのままシャルロットに持っていてもらいましょう。
来年は小説と漫画の二本立てでさらなる怒涛の進撃です!
すずな
2007/12/31 18:28

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