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help リーダーに追加 RSS 慧眼なる読者との対話(22)

<<   作成日時 : 2007/08/31 10:49   >>

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 第21話までごらん下さった読者の皆様、ありがとうございます。次は、「第22話 歌の中の歌」です。二人の結婚式はどのように執り行われるのでしょうか。普通の結婚式とはひと味違うディマンシュ流のやり方をとくとごらん下さい。

「『歌の中の歌』とはいったい何の歌のことだね?」

「そういう質問が出てくるとは思っていました。それは旧約聖書の『雅歌』のことなのです。日本語の聖書では『雅歌』と訳されているのですが、ラテン語では“Canticum canticorum”、フランス語では“Cantique des cantiques”、英語では“Song of songs”、すなわち直訳すれば『歌の中の歌』というわけです。」

「つまり、“男の中の男”という言葉が“数ある男たちの中で最もすばらしい男”を意味しているように、“歌の中で最もすばらしい歌”という意味なのだな。これを“雅(みやび)な歌”と訳すのは相当な意訳だ。」

「神への愛を象徴的に表現したものだという解釈もあるそうですが、わたしは、率直に言って、この歌は男女の性愛の悦びを素直に描いた歌にしか見えませんね。」

「例えば、どんなふうに描かれているのかね。」

「わたしが適当な所を引用すると、ディマンシュ君に怒られそうですからやめておきます。彼は彼なりに引用したい個所があるようです。その邪魔になってはいけませんので…。あ、今回はいたって真面目な話ですよ。」

「わざわざ、そう言うところが怪しい。」

「(なぜ信じてもらえない?)それよりも、この歌が、キリスト教のどの派でも正統な文書として収録されているのというのは、興味深いですね。キリスト教というとなんとなく禁欲主義的なイメージがありますが、この歌には禁欲主義的なところはまったくありません。」

「そういう歌を持ち出す意味は何だね?」

「それはもちろん、第22話がアルとシャルロットの結婚式だからですよ。結婚するのに禁欲主義ではよくないですからね。さらに言えば、≪およそ人間に関することで私に関係のないことは何一つない≫という言葉を信条としているモンテーニュの『随想録』も重要な役割を果たすことになっています。ね、とっても真面目な話でしょ。」

「だから、なぜわざわざ強調する?」

第21話に関する覚書

1694年秋
場所
結婚式の行われる教会
セヴェンヌ山中の水車小屋付近

登場人物
ディマンシュ・ブライユ…ユグノーの青年。スイスのジュネーヴ学院で学問に専念していたが、従弟のアルと恋仲のシャルロットが伯爵と結婚させられるのを知って、それをぶちこわしにフランスに戻ってきた。
アルベール・ブライユ…シャルロットへの愛を再確認し、シャルロットを伯爵の手から救いだす。
シャルロット…ユグノーの権利回復のために、国王に話ができるという伯爵と結婚しようとするが、アルとディマンシュによって、伯爵の正体を完全に見抜き、結婚式から逃げだす。
クリストフ…救貧院の下男。アルとシャルロットの恋を応援している。
ルール氏…シャルロットの父親。
アドルフ・ド・ルール……シャルロットの兄。ダンドリオン伯爵の正体を見抜き、結婚式を破綻させる。
ダンドリオン伯爵…シャルロットともう少しで結婚できるところだったが、自分のしてきたことの責任をとることになる。
ダンドリオン伯爵の母親…身分にこだわる貴族の女性。
ヴィクトワール…ダンドリオン伯爵家の小間使い。お針子。伯爵の慰み者として、妊娠を重ねてきたが、正式の妻になる。

聖書は性についてどう教えるか―「雅歌」に学ぶ
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
中学時代、カトリックの聖書を読んでいましたが、この雅歌を読むときはそれこそドッキドキでしたね。これって聖書だよね?ほんとに聖書だよねって感じ?
クロ
2007/08/31 17:47
クロさん、中学生にとっては、ほんと、ドッキドキですね。いや、大人にとってもです。当時の人々にはどんなふうに受け止められていたのでしょうか?
広告につけた『聖書は性についてどう教えるか』という本は実はまだ読んでいないのですが、題名が面白そうなので掲載してみました。
第22話は、くそ真面目かつドッキドキなものにしたいと思っています。
すずな
2007/09/01 08:31

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