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第19話まで読んでいただきましたみなさま、ありがとうございます。いよいよ話は第二部の佳境に入ってきました。このまま二人は別れてしまうのでしょうか。次は「第20話 結婚式」です。 「この小説がある古典小説のパロディであることはわかっている。」 「おっと、何のパロディだというのです?」 「それはもちろんルソーの『新エロイーズ』だ。貴族の娘ジュリーと平民の男サンプルーとの間の身分違いの恋を描いた小説であり、ジュリーは結局自分の身分にふさわしい男と結婚することになるのだ。まったくそっくりの設定ではないか。そうであれば、この小説の続きも自ずと明らかであろう。」 「なるほど。たしかに似てますね。」 「もちろん、すずな風『新エロイーズ』はもっと残酷な物語にするつもりなのであろう。ジュリーならぬシャルロットはダンドリオン伯爵の約束を信じて結婚するが、もちろんその約束はあれこれの理由をつけられて延期につぐ延期を強いられるのだ。だまされたということをうすうすわかってはいても、それを口に出してはすべての希望が失われ、自分が本心を犠牲にして伯爵と結婚した意義も失われてしまう。そうして、シャルロットはわらにもすがる気持ちで耐えに耐えるが、次第に彼女の精神はバランスを失っていく。彼女は男の子を生み、その子には父親の名前と同じ『アルフォンス』が付けられる。他のことに何も関心を示さなくなった彼女もその子どもにだけは関心を持ち、『アル』と呼んでかわいがり続ける。その子どもだけが彼女の唯一の生きがいとなるのだ。」 「さらにその物語を続けてみましょう。何十年かの年月が過ぎ、とある貴族の屋敷に、ある老人が下男として雇われます。その下男こそは、シャルロットを失って様々な仕事を転々としてはその日暮しに明け暮れる毎日を過ごしていたアルの年老いた姿なのです。下男として雇われたアルは、病で寝込んでいる屋敷の老婦人を紹介されます。アルはこの女性がシャルロットであることにすぐに気がつきますが、シャルロットは病のためにアルのことも何もかもわからなくなっていました。アルは献身的に彼女の看病をしますが、ついに彼女の衰弱を押しとどめることはできませんでした。死ぬ間際に彼女はひとこと『アル』とつぶやきます。しかし、周囲の人々は彼女が息子の名を呼んだのだとしか考えません」 「なんという悲劇的な話だろう。」 「…って、こんな話がお望みですか。それにだいたい、私は『新エロイーズ』は、あらすじは知っていますけど、まだ読んでいないんですよ。『アベラールとエロイーズ』なら読みましたけどね。」 「もしかして、そっちの話を元にして…? その方が残酷だな。」 第19話に関する覚書S新エロイーズ 全4冊
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なんという残酷な話。しかし「アベラールとエロイーズ」はもっと残酷なんですか? |
アッキー 2007/07/30 16:20 |
古典的な名作には、部分的に似たような筋のところが結構ありますね。次のところを呼んで、つい最近DVDで見た『アンナ・カレーニナ』を思い浮かべてしまいました。 |
ヒッピー 2007/07/31 01:33 |
アッキーさん、特に男の人にとっては、正視するのが困難なほど残酷な場面があります。中世フランスの実在の人物アベラールとエロイーズの間に交わされた手紙を収録したもので、実話なのです。詳しくは次の記事をお読みください。 |
すずな 2007/07/31 08:01 |
ヒッピーさん、たしかにそうですね。夫との生活に絶望していた彼女も子どもだけはかわいがっていましたね。 |
すずな 2007/07/31 08:06 |
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