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アルはいつしか眠りについていた。すると、かすかに戸をたたく音が聞こえてきた。その音にアルは目を覚ました。 「こんな夜中に、いったい誰だろう?」 アルが不思議に思っていると、内からかんぬきをかけていたはずなのに、扉が音もなく開いた。そして冷たい風とともに雪が舞い込んできた。アルは寒さに震え上がり一瞬目を閉じた。 アルがもう一度目を開けた時、そこには懐かしい父の姿があった。 「ジョワイユー・ノエル!」 死ぬ前の病と生活苦にやつれた姿ではなく、もっと幼い頃の思い出の中の若々しく元気な姿であった。父は何もかも包み込むような笑顔で聖誕祭の喜びを表し、そして静かに優しく語りかけた。 「アル、久しぶりだね。ずいぶん大きくなったな。」 アルは思わず父に駆け寄り、その胸に飛び込んだ。 次の瞬間、アルは自分が寝台から転げ落ちているのに気がついた。 「なんだ、夢か…。」 もう、夜はしらじらと明けていた。 「わあー、寒いと思ったらこんなに雪が! 母ちゃんはまだ寝てるのか…。いつも遅くまで働いてるから、きっと疲れてるんだ。」 アルは一人で表に出て、真っ白になった地面の上に、自分の足跡を付けていった。それから雪を丸めて雪玉を作り始めた。アルは作った雪玉を木に当てたり、どれだけ遠くまで投げられるか試してみたりした。 アルが雪玉を投げていた方向に、突然人影が現れた。その人影はアルの雪玉を難なくよけ、そして、まっしぐらに近づいてきた。アルは驚いた。アルの家は村はずれにあり、めったに人が通ることはなかった。このあたりの村人にしてはあか抜けた都会風の服装をしたその人物が近づいてくるにつれ、アルは、言い知れない懐かしさと、何かの間違いではという疑いが、交錯するのを押さえ切れなかった。 「ジョワイユー・ノエル!」 その人物は叫んだ。何もかも先刻の夢で見たばかりの父の姿そのものであった。 |
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お父さんが帰ってきた!っと思ったら、何だ夢かぁ・・・。となるのは面白いですね。しかも現実になっている(?)。アルのお父さんそっくりな人物はいったい誰だ?続きが気になる・・・。 |
表裏 2006/01/17 18:33 |
表裏さん、毎日少しずつ読んでいただき、丁寧なコメントを書いてくださって、ありがとうございます。 |
すずな 2006/01/18 09:58 |
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